SDXCによって達成される「大容量に見合った転送速度」
SDXCの発表を初めて目にしたとき、容量、速度という基本性能以外に特に新しい特徴がないことに「おやっ」と思いました。逆に言えば、それだけSDHCが優等生なメディアだったともいえます。
たとえば、SDXCは動画などの大容量データ向けとして期待されていますが、冷静に考えると、動画にはフルHDという当面固定であろう解像度制約があり、32Mbps(=4MB/s)もあればかなり十分なクオリティが達成できます。実は一定以上の速度をあまり必要としないのが「動画」なのです。
SDXCの速度を活かす意味では「静止画」、具体的にはデジタル一眼レフ等のRAWモード連写のほうが、瞬間的には動画よりもはるかに速い書き込み速度を必要するかもしれません。大抵は数枚から十数枚ぶんのバッファがありますが、バッファからメディアへの書き出し時間が長ければ利便性に大きく影響します。
私がSDXCに期待しているのは、むしろ単純なファイルコピーの速度です。
例えば、32GBいっぱいに保存した動画ファイルをPCに転送すると何分が必要になるか、気にされたことはあるでしょうか?
実はこれ、読み出し速度が20MB/sあっても30分近く掛かるのです。もし編集作業のためにコピーをしようとしているのであれば、開始までに30分も待たされてしまうことになります。
記憶媒体は大容量になればなるほど、それに見合った速度が必要になってきます。その点、SDHCの後期のメディアは、その大容量に見合った速度を提供しているとは言いがたい状況でした。せっかく撮り終えたデータをPCに移すだけで数十分も掛かっていたのです。
その点、UHS-104対応SDXCが期待通り「実測60MB/s」に近い速度であれば、転送時間はわずか10分まで短縮され、帰宅してからすぐに編集作業を開始することができます。また、そこまで高速なら、むしろPCに転送せず、SDXCからの直接読み出しでも快適な編集作業ができるかもしれません。そうすればコピーの手間すら必要なくなることになります。
一見、地味なようですが、大容量のデータをストレスなく扱えるという前提が脅かされれば、デジタルライフの楽しさも半減しかねません。
SDXCが「大容量に見合った速度」を追求し、ガジェットとPCの間に横たわる「転送時間」という障壁を取り払うこと、それが当たり前にできて初めて、優等生だったSDHCに取って代わってデジタルライフを支えるメインストリームのメディアとして名乗りを挙げることができるのかもしれません。

デジモノに埋もれる日々
デジモノに埋もれる日々は、携帯音楽プレイヤー、デジカメ、デジタルレコーダ、家庭用ゲーム機などのデジモノ情報を扱っているブログ。新製品ニュースなどに加え、実際に購入した製品をユーザ視点から詳細にレビューする記事が人気を集めている。執筆者のCK氏は、デジモノを買い漁るのが大好きな自称「浪費ブロガー」。毎日のブログ記事執筆のほか、Amazonの価格チェッカー「あまとも」、所有コミック管理サービス「コミックダッシュ!」など、個人でネットサービスも開発・運用している。










